浦和学院高等学校 マウスガードの普及活動

浦和学院高等学校(以下浦学)の野球部で行われているマウスガードの普及活動に、フォレストデンタルグループの医師が参画し、マウスガードの作成を行いました。

甲子園優勝経験もある浦学野球部は、マウスガード普及のモデル校として、2017年度より日本学校歯科医会及び日本高等学校野球連盟が行うマウスガード普及・周知活動事業に参加していました。この事業においては、スポーツ歯学でも有名な明海大学と東京医科歯科大学の先生方が参画されていました。
事業が一区切りとなる昨年度からは、浦学野球部が主体となり、独自でマウスガードの普及活動を継続しております。その背景に賛同し、学校歯科医としても関わりの深い、フォレストデンタルグループがマウスガード作成を行っております。
(フォレストデンタルクリニックは2019年度より浦学の歯科健診にも参画し、浦学の学校歯科医として活動してきました。)
参画2年目となる今年度は、よりマウスガード着用に対する意識を高めてもらうため、新しく安全講習会を実施しております。普段あまり聞くことのない野球と歯の関係について、野球部の皆様は熱心に耳を傾けていました。

マウスガードの作成する目的として「スポーツで歯を失う子供を減らしたい」ということが挙げられます。歯を失うことにより、その後の人生のQOLが大きく左右されます。

2008年ストックホルムで開催されたFDI総会では、マウスガードに関する声明文が採択されました。その前文では、ノンコンタクトスポーツや日常の運動でも口腔外傷が発生する可能性があること、またマウスガード未装着者のスポーツ時の口腔外傷リスクは装着者の1.6〜1.9倍であることが述べられ、マウスガードの普及が訴えられました。
またこうした口腔外傷の予防効果のみならず、マウスガードにはスポーツ中の強い噛みしめ(スポーツクレンチング)による歯の咬耗(すり減り)、歯の破折などの予防・軽減の効果や、下顎への外力に対する顎関節の保護効果などが挙げられます。さらにはマウスガードを装着していることで安心してプレーに集中できるという心理的効果や外傷を抑制することによる、治療のための時間的・金銭的な損失がなくなるという経済的な効果なども得られます。

格闘技の選手のマウスガード装着をテレビなどで見る機会も増え、ボクシングやアメリカンフットボール、ラクロスなどでは既に選手の装着が義務付けられています。一方、硬式野球では装着は「許可」にとどまっており、競技人口が多いにもかかわらず、普及が遅れているのが現状です。
2019年度のスポーツ庁の報告によれば、学校(中学校・高等学校等)の管理下での野球による障害事故発生件数447件のうち、157件が歯牙の障害となっており、2番目に多い数字となっています。(2009年~2018年の累計数値)
野球においては例えば、打球や送球が口付近に当たったり、他の選手と接触したりして、前歯を折るなどの大きなけがになることがあります。
口腔内の外傷は選手生命を脅かす問題となる可能性があるほか、顎や顔面のけがも含め頭部・頸部の外傷でもあり、適切で早急な対応が必要となります。歯の外傷、特に多い前歯のけがは、発音、審美にも影響し、その後の人生を考えてもマウスガードによっていかに怪我を防ぐかが重要となります。

マウスガードには、スポーツ用品店などで入手できる簡易な市販品と、歯科医師や歯科技工士がアスリートの歯列模型を用いて製作するカスタムメイド・マウスガードがあります。
市販品の多くは、適合性や咬合、発音などの点で明らかに劣り、試合中に脱落して外傷を受けることになったり、装着していてもプレーに集中できなかったりといった弊害もあります。
我々は学校歯科医として、浦学野球部の皆様により良いスポーツ活動を届けるべく、カスタメイド・マウスガードを作成・提供しています。

フォレストデンタルグループでは、「世のため、人のため共に生きる」の経営理念のもと、歯科治療だけにとどまらず、歯科を通じて教育分野やスポーツをする高校球児たちのスポーツ人生をより豊かなものにするために、今後もスポーツマウスガードの作成・周知活動を推進していく所存です。